iseminar.net アイセミナー 関西眼疾患研究会

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the 13th iseminar x forum (このイベントは終了しました)

第13回アイセミナーフォーラム

the 13th iseminar x forum、無事に終了いたしました。

2018年9月1日

今回、今までは参加者としてisemiar x forumを楽しませて頂いていましたが、幹事としてthe 13th iseminar x forumを開催させていただきました


トップバッターである横井多恵先生(東京医科歯科大学)には「児童から高齢者まで!包括的病的近視診療への挑戦」というタイトルで、強度近視について、包括的な診断および治療選択についてご講演いただきました。東京医科歯科大学では長年の近視外来から蓄積されたノウハウで、システマチックに診断をしていることが印象的でした。また、病的近視への進展を予測する所見として、一般の学童近視と異なる「視神経周囲のびまん性萎縮」を示していることなど、多くのレトロスペクティブ研究成果を示していただきました。今後はプロスペクティブ研究や現在行っている強膜の再生医療など治療的介入を目指していくという事で、ますます目が離せないのではないでしょうか。

2人目の演者である三宅正裕先生(京都大学)には「ゲノム解析と機械学習で切り分けるパキコロイド系疾患と加齢黄斑変性」というタイトルで、AIを用いたパキコロイド疾患についてのご講演でした。AI x AMDということで、画像診断にAIを用いる、というような講演と想像していたのですが、今まできちんとした定義ができていなかったパキコロイドを長浜スタディの膨大なデータの中から、様々なパラメーターをピックアップし、AIを用いて統計解析を行うことで、どこがAMDとパキコロイドを分けるかの閾値を計算し、みていくという新たなAIの使い方を提示していただき、大変勉強になりました。また、三宅先生の、サイエンスをするためには明確な診断基準が必要である、という力強いお言葉に強い意志を感じました。

3人目は増田洋一郎先生(東京慈恵医科大学)で「Closed & Non-pressurized Cataract Surgery (非虚脱・非加圧白内障手術)」というタイトルでご講演いただきました。白内障手術はほぼすべての眼科医が経験する手術ではありますが、その中で、私自身も含めて、どれほどの人が増田先生ほど理論的に考えて白内障手術をできているのか、ということを改めて感じさせて頂きました。何気ないハイドロダイセクションの中で、こんなにも後嚢が動いて眼圧変動しているのか、というものを動画でまざまざとみせつけれ、増田先生の考える「非虚脱・非加圧白内障手術」の世界にのめり込んでいきました。緻密な実験と理論に積み重ねたご説明は、大変わかりやすく納得できるものでした。またiseminarで手術動画がアップされると思いますので要チェックです。

4人目は奥村直毅先生(同志社大学)です。奥村先生はこれまでにも角膜内皮の再生医療、また最近ではFuchs角膜ジストロフィに対する薬物治療の開発に精力的におこなっています。明確な目標の中で、いかにそのプロジェクトをすすめていくかについての、奥村先生の思いのこもったご講演でした。「オープンイノベーション」についての考え方、起業することについての苦労話など、大変刺激的なお話でした。Fuchs角膜ジストロフィ、緑内障、加齢黄斑変性を始めとした有病率が高い疾患に対する薬物開発もありますが、遺伝性疾患などの希少難治疾患についてもオーファンドラッグとして充分採算がとれる開発トラックがあるということで、医者になったからにはちゃんと治療にまでもっていけるような研究がしたい、と改めて実感いたしました。

(文責:北澤 耕司・京都府立医科大学附属北部医療センター)

概要

日時: 2018 年 9 月 1 日(土)18:00 〜

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場所:

GRAN BLANC ~GINZA BEER AND GRILL~

(銀座ビアアンドグリル グラン・ブラン)

〒104-0061 東京都中央区銀座1-5-10 銀座ファーストファイブビル9F

※1~2Fに「山形アンテナショップ」が入っているビル

最寄り駅地下鉄銀座線「銀座駅」A13出口 徒歩3分

地下鉄有楽町線「銀座一丁目駅」6出口 徒歩1分

JR「有楽町駅」京橋口 徒歩4分

http://www.gran-blanc.com/
Description

第13回目となりますiseminar x forumのご案内をさせていただきます。
今回は北澤耕司先生(京都府立医科大学附属北部医療センター)に企画していただきました。
北澤先生にお書きいただいた案内を以下に記載させていただきます。(事務局)

横井多恵先生(東京医科歯科大学)近視人口が今後増加していく事が明らかで、その中でも病的近視は長らくunmet medical needsの1つでした。失明原因の第4位である病的近視への兆候を早期に診断し、治療介入を目指す、まさにこれからの眼科医療のテーマである横井先生の挑戦についてお話していただけると思います。

若林卓先生(大阪大学)糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症といった疾患では、血管閉塞による虚血網膜から起こる新生血管や血管壁からの漏出に対して、抗VEGFなどの治療がおこなわれてきました。それによって多くの福音がもたらされた事は事実ではありますが、虚血網膜に対する根本治療ではありません。若林先生には、血管を再生させる、そんな夢の治療への試みについてお話いただきます。

増田洋一郎先生(慈恵医科大学)アイセミナー動画でも掲載されております灌流ハイドロダイセクション法についてのご講演です。ほぼすべての眼科医が行う手術で、年間100万件以上されている白内障手術。今回は増田先生に新しい白内障手術方法を解説していただきます。きちんと論文化もされており、下記リンクをご参照いただけたらと思います。 https://www.dovepress.com/irrigation-dynamic-pressure-assisted-hydrodissection-during-cataract-s-peer-reviewed-article-OPT

三宅正裕先生(京都大学)三宅先生はこれまで近視や加齢黄斑変性におけるゲノム研究を行ってきており数多くの研究成果を報告してきています。一方で、ハーバードでMPHを取得し、厚生労働省やAMEDでの勤務経験もあるなど多彩な経歴を持っており、最近では人工知能を用いた眼底読影についての研究もすすめています。そんな三宅先生の広い見識あるお話が聞けると思います。

参加費: 5,000円(懇親会込み)
残り席 / 定員: 満員御礼! /30(募集終了) ※参加希望の方はキャンセル待ちをお問い合わせください。
参加申込み方法
「参加申し込み」ボタンより参加申し込みフォームへお進みください。
※本フォーラムの参加費用は事前クレジット支払いのみとなります。
※お申込み完了後、キャンセルに伴う払戻しはできません。ご了承ください。

地図

Schedule
司会 :

北澤耕司先生(京都府立医科大学附属北部医療センター)

18:00 - 18:05

Opening remarks

木下 茂 先生(京都府立医科大学)

18:05 - 18:25

児童から高齢者まで!包括的病的近視診療への挑戦

横井 多恵 先生(東京医科歯科大学)

18:25 - 18:45

血管再生は可能?血管における幹細胞研究最前線

若林 卓 先生(大阪大学)

18:45 - 19:05

Closed & Non-pressurized Cataract Surgery (非虚脱・非加圧白内障手術)

増田 洋一郎 先生(慈恵医科大学)

19:05 - 19:25

ゲノム解析と機械学習で切り分けるパキコロイド系疾患と加齢黄斑変性

三宅 正裕 先生(京都大学)

19:25 - 19:30

Closing remarks

木下 茂 先生(京都府立医科大学)

懇親会 - 終了

Speakers
yokoi

横井 多恵

2004年金沢大学医学部 卒業
2009年東京医科歯科大学眼科 入局
2013年川口市立医療センター眼科 医長
2018年米国ハーバード大学マサチューセッツ眼科耳鼻科病院 網膜フェロー
東京医科歯科大学眼科 助教
wakabayashi

若林 卓

2004年金沢大学医学部卒業、初期臨床研修
2006年大阪大学医学部眼科学教室 入局
2007年社会保険紀南病院眼科
2010年大阪大学大学院医学系研究科入学
2012年日本学術振興会・特別研究員(DC2)
2014年大阪大学大学院医学系研究科卒業
2015年大阪大学眼科 医員
2017年大阪大学眼科 助教
masuda

増田 洋一郎

1997年東京慈恵会医科大学医学部卒業
東京慈恵会医科大学附属病院
2002年東京慈恵会医科大学眼科学講座 助手
2006年米国スタンフォード大学留学
2008年同上より帰国
2010年厚木市立病院上席医長
2012年東京慈恵会医科大学眼科学講座 講師
miyake

三宅 正裕

2006年大阪市立大学医学部卒業
神戸市立中央市民病院 初期研修医
2008年京都大学医学部附属病院 眼科修練医
天理よろづ相談所病院
2011年京都大学大学院 入学
2014年ハーバード公衆衛生大学院 入学
2015年厚生労働省 保険局医療課 専門官
京都大学大学院 修了
2016年日本医療研究開発機構 臨床研究課 課長代理
ハーバード公衆衛生大学院 修了
2017年京都大学医学部附属病院 特定助教

写真

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