「アイセミナー眼底カンファレンス」では、三宅正裕先生(京都大学)、向井亮先生(群馬大学)、山本亜希子先生(杏林大学)といった新進気鋭の黄斑専門医をコメンテーターに迎え、同世代だからこそ言えるフリーなディスカッションを展開していきます。
■向井 亮 先生(群馬大学 2014.6.8 15:47)この症例では造影時にすでに裂孔が生じていますが、NAGIEL,(2013AJO)や我々(Mukai 2014Acta)はOCTでみてPEDの端っこで、CNVの下と脈絡膜の間に黒い隙間(水成分と思われます)があるような症例ではRPEの裂孔が生じうることを報告しています。
現在、RPEの裂孔発生後の症例で滲出を繰り返す例に抗VEGF薬をいつまでも投与するかについて検討しています。少なくとも我々が受け持っているtear後の症例の視力推移は過去・抗VEGF薬を用いてなかった時代のRPEの裂孔発生例での視力経過と比較して視力が比較的保たれる例が多いようであり、やはり滲出時には抗VEGF薬の投与がいいのかなと感じております。
■山岸 哲哉 先生(京都府立医科大学 2014.6.10 11:36)「CNVの下と脈絡膜の間に黒い隙間」、いわゆるpre-choroidal cleftと呼ばれる空間ですね(文献:Rahimy,et al. Retina 2014)。このような症例の治療開始・継続の是非は非常に頭を悩ませることが多いと思います。当院の解析ではRPEtear合併症例は結局2か月程度の間隔での投与継続を行わざるを得ないケースが多いです。これが社会経済面から見て正しい判断なのかどうかはいまだ私の中では結論は出ておりません…