「アイセミナー眼底カンファレンス」では、三宅正裕先生(京都大学)、向井亮先生(群馬大学)、山本亜希子先生(杏林大学)といった新進気鋭の黄斑専門医をコメンテーターに迎え、同世代だからこそ言えるフリーなディスカッションを展開していきます。
■向井 亮 先生(群馬大学 2014.4.24 20:40)この症例は先生の推察するように①のような基礎疾患の下に外節の欠損が生じているように思います。中心窩での外顆粒層がかなり菲薄化していること、中高年での発症ということからも支持されるのではないかと思います。当科では中心窩下での外節欠損例を比較的多数経験しています。①、②のような例以外では、テレビをみていた後生じた例(10歳:眼科2011)や長時間のゲームボーイ(28歳:JJO2010)、携帯のディスプレイ作業後(19歳)などの症例がありますが、いずれも1ヶ月程度で回復している、外顆粒層の菲薄化はないなどの特徴がありました。
■山岸 哲哉 先生(京都府立医科大学 2014.4.25 11:32)詳細なreviewありがとうございます。このようなVDT関連の網膜外層症は自然経過で改善するパターンが多いと伺いますが、実は自身では経験がございません。視力は良好なものの視野欠損自覚で受診、というパターンが多いのでしょうか?
なお、本症例では経過観察を続けておりますが、数か月の経過でも外層所見の改善は得られておりません。外顆粒層まで菲薄化すると、視細胞本体の障害となり、修復されることがないのではと考えています。