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  1. 網膜硝子体・ぶどう膜炎
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  3. iseminar眼底カンファレンス:Case4

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iseminar眼底カンファレンス:Case4

山岸哲哉 (京都府立医科大学)

Posted Dec 2013
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「アイセミナー眼底カンファレンス」では、三宅正裕先生(京都大学)、向井亮先生(群馬大学)、山本亜希子先生(杏林大学)といった新進気鋭の黄斑専門医をコメンテーターに迎え、同世代だからこそ言えるフリーなディスカッションを展開していきます。

■山岸 哲哉 先生(京都府立医科大学 2013.12.27 20:21)
このような症例は初めて体験しました。皆さんはいかがでしょうか。

■向後 二郎 先生(聖マリアンナ医科大学 2013.12.28 22:15)
すごい症例ですね。PEDの拡大だけなら黄斑バックルのように円孔は形成されない方向に行くように思います。PED部にCNVはあったのでしょうか?もしあったら激しい収縮がおきてnotchingしたのかなーと妄想が膨らみます。

■山岸 哲哉 先生(京都府立医科大学 2013.12.28 22:45)
PED内部のCNVに関しては、造影検査を行っていないために残念がら確証は持てていません。これはあくまでも推測なのですが…ちょうど中心窩をはさむようにふたこぶのPEDが出来、急速に網膜を持ち上げたために最も感覚網膜の薄い中心窩で網膜が「裂け」、黄斑円孔を形成したのではないかと考えました。もしこれが単体の大きいPED一つだったとしたら、MH形成はなかったのかもしれません。

■向後 二郎 先生(聖マリアンナ医科大学 2013.12.28 23:35)
なるほど!!

■山岸 哲哉 先生(京都府立医科大学 2013.12.29 10:26)
ちなみに、この方は僚眼が視力良好でもあり、年齢を理由に手術を希望されなかったのですが、もう少し強めにお勧めするべきだったのでしょうか...

■向後 二郎 先生(聖マリアンナ医科大学 2013.12.29 10:33)
悩ましいですね(^^;;ビトすれば薬効かなくなりますしね

■向井 亮 先生(群馬大学 2014.1.5 22:12)
初めてみます。疑問点が2つあります。ひとつは、どうして中心窩下のみ網膜色素上皮剥離が生じなかったのかという点、もうひとつは、抗VEGF薬前後で硝子体(剥離)がどう変化したのかという点です。

■山岸 哲哉 先生(京都府立医科大学 2014.1.6 9:07)
向井先生、コメントありがとうございます。
「何故中心窩下のみ網膜色素上皮剥離が生じなかったのか」
:たまたま、でしょうか... 答えを持ち合わせていません・あくまでも想像ではありますが、たとえば病巣中活動性のある部位が2か所あって、中心窩が挟み討ちされたとか...
「抗VEGF薬前後で硝子体(剥離)がどう変化したのか」
:原画像のOCTを見る分には、治療開始時にすでに後部硝子体剥離は発生している模様です。

■向井 亮 先生(群馬大学 2014.1.7 22:01)
ありがとうございます。黄斑円孔発生3ヶ月後のOCTので、中心窩下のPEDが発生していない場所のすぐ鼻側のPEDの内のRPE裏に中等度反射があり、CNVの存在が疑われます。このCNV(net)がブルッフ膜と癒着si

■向井 亮 先生(群馬大学 2014.1.7 22:12)
癒着していた可能性があります。一方その鼻側のPED内にはlamellar structureがあり、その部位のPEDはかなり遷延化していたことが推察されます。遷延化したPED→中心窩下網膜の菲薄化(過去にPEDがあっただろう部位の網膜内にも高反射が出現しているようです)→中心窩下をまたぐ2峰性のPEDの出現→MHなのでしょうか

■山岸 哲哉 先生(京都府立医科大学 2014.1.8 0:23)
向井先生のコメントを基に図を作成しました。
このPEDの中の「lamellar structure」、遷延化したPEDの特徴なんでしょうか。確かに時々見受けます。

■山本 亜希子 先生(杏林大学 2014.1.14 16:27)
我々の施設ではPEDを伴った症例を抗VEGF療法で治療中、黄斑円孔が生じた症例がありました。ただしそれは2峰性ではなかったのでこの症例と同様の機序で起こったかは不明です。
ちなみに手術をし、黄斑円孔は閉鎖しましたが視力は改善していません。

■山岸 哲哉 先生(京都府立医科大学 2014.1.14 20:13)
山本先生、興味深いコメントありがとうございます。硝子体内注射の影響でPVDが起きて、MHができた可能性もありますし、MH形成のメカニズムは当然ながら分かりません... 手術はご希望も乏しいため、お勧めしませんでした。
「アイセミナー眼底カンファレンス」では、三宅正裕先生(京都大学)、向井亮先生(群馬大学)、山本亜希子先生(杏林大学)といった新進気鋭の黄斑専門医をコメンテーターに迎え、同世代だからこそ言えるフリーなディスカッションを展開していきます。

■山岸 哲哉 先生(京都府立医科大学 2013.12.27 20:21)
このような症例は初めて体験しました。皆さんはいかがでしょうか。

■向後 二郎 先生(聖マリアンナ医科大学 2013.12.28 22:15)
すごい症例ですね。PEDの拡大だけなら黄斑バックルのように円孔は形成されない方向に行くように思います。PED部にCNVはあったのでしょうか?もしあったら激しい収縮がおきてnotchingしたのかなーと妄想が膨らみます。

■山岸 哲哉 先生(京都府立医科大学 2013.12.28 22:45)
PED内部のCNVに関しては、造影検査を行っていないために残念がら確証は持てていません。これはあくまでも推測なのですが…ちょうど中心窩をはさむようにふたこぶのPEDが出来、急速に網膜を持ち上げたために最も感覚網膜の薄い中心窩で網膜が「裂け」、黄斑円孔を形成したのではないかと考えました。もしこれが単体の大きいPED一つだったとしたら、MH形成はなかったのかもしれません。

■向後 二郎 先生(聖マリアンナ医科大学 2013.12.28 23:35)
なるほど!!

■山岸 哲哉 先生(京都府立医科大学 2013.12.29 10:26)
ちなみに、この方は僚眼が視力良好でもあり、年齢を理由に手術を希望されなかったのですが、もう少し強めにお勧めするべきだったのでしょうか...

■向後 二郎 先生(聖マリアンナ医科大学 2013.12.29 10:33)
悩ましいですね(^^;;ビトすれば薬効かなくなりますしね

■向井 亮 先生(群馬大学 2014.1.5 22:12)
初めてみます。疑問点が2つあります。ひとつは、どうして中心窩下のみ網膜色素上皮剥離が生じなかったのかという点、もうひとつは、抗VEGF薬前後で硝子体(剥離)がどう変化したのかという点です。

■山岸 哲哉 先生(京都府立医科大学 2014.1.6 9:07)
向井先生、コメントありがとうございます。
「何故中心窩下のみ網膜色素上皮剥離が生じなかったのか」
:たまたま、でしょうか... 答えを持ち合わせていません・あくまでも想像ではありますが、たとえば病巣中活動性のある部位が2か所あって、中心窩が挟み討ちされたとか...
「抗VEGF薬前後で硝子体(剥離)がどう変化したのか」
:原画像のOCTを見る分には、治療開始時にすでに後部硝子体剥離は発生している模様です。

■向井 亮 先生(群馬大学 2014.1.7 22:01)
ありがとうございます。黄斑円孔発生3ヶ月後のOCTので、中心窩下のPEDが発生していない場所のすぐ鼻側のPEDの内のRPE裏に中等度反射があり、CNVの存在が疑われます。このCNV(net)がブルッフ膜と癒着si

■向井 亮 先生(群馬大学 2014.1.7 22:12)
癒着していた可能性があります。一方その鼻側のPED内にはlamellar structureがあり、その部位のPEDはかなり遷延化していたことが推察されます。遷延化したPED→中心窩下網膜の菲薄化(過去にPEDがあっただろう部位の網膜内にも高反射が出現しているようです)→中心窩下をまたぐ2峰性のPEDの出現→MHなのでしょうか

■山岸 哲哉 先生(京都府立医科大学 2014.1.8 0:23)
向井先生のコメントを基に図を作成しました。
このPEDの中の「lamellar structure」、遷延化したPEDの特徴なんでしょうか。確かに時々見受けます。

■山本 亜希子 先生(杏林大学 2014.1.14 16:27)
我々の施設ではPEDを伴った症例を抗VEGF療法で治療中、黄斑円孔が生じた症例がありました。ただしそれは2峰性ではなかったのでこの症例と同様の機序で起こったかは不明です。
ちなみに手術をし、黄斑円孔は閉鎖しましたが視力は改善していません。

■山岸 哲哉 先生(京都府立医科大学 2014.1.14 20:13)
山本先生、興味深いコメントありがとうございます。硝子体内注射の影響でPVDが起きて、MHができた可能性もありますし、MH形成のメカニズムは当然ながら分かりません... 手術はご希望も乏しいため、お勧めしませんでした。